よくない言葉集

よくない言葉を連ねます。日本語が不自由なので閲覧非推奨です。

聞いた僕は泣いた後笑った

(ソロ LIVE についての記事は) 初投稿です.

 

LAWSON presents 夏川椎菜 1st Live Tour 2019 プロットポイント*1に参加しました.

 

今回は全6公演中, 東京1回目, 愛知, 追加公演の3公演に参加しました. 最初は参加する意志は無くのんびりとしていたのに, いつの間にか夏川椎菜さんへの興味が深まっていました. そして Odyssey の時にもお世話になった Y 氏*2を始め様々な方からチケットを譲って頂きました. 感謝しています.

今回は, いくつかの視点から僕が感じた "夏川椎菜のソロ LIVE" を述べて感想記事とします. あまり長く書くと墓穴を掘りそうなので内容は削り目で.

 

セットリスト

2nd シングル "フワリ、コロリ、カラン、コロン" 以降に王道と呼ばれるような曲はあっただろうか. 夏川さんの引き出しの多さや音楽へのこだわりを改めて感じた. それこそが表現することが好きだと語る彼女自身の武器であり, 月並みなアイドル声優とは一線を画す点であろう.

所謂アイドルっぽくないからこそ, "シマエバイイ" に代表されるようにヒヨコツインズのキレッキレのダンスが映える. かと思えば, TrySail のステージで見せるような "煽り師" としての側面も全開に会場を沸かす強い曲. もちろん "Daisy Days" のような可愛らしい曲も歌いこなしている.

だが, それら全ての根底にある "アーティスト夏川椎菜" を映し出しているのが, ラストの "パレイド" と "ファーストプロット" だ. 夏川さんのパフォーマンスはこの2曲にピークを迎えていると感じていた. "ログライン" では前者が始まり, 後者が終わりの一曲になっているが, 当初は今回と同じ順番だったそうだ*3. 色々な個性を見せられた後に, 特筆すると "ステテクレバー" で大盛りあがりの後にパレイドを聴くと, 正直感情がグチャグチャになった. 演出も相まって, "救いのない" 世界に引き込まれてしまう.

だから, ファーストプロットのイントロを歌った直後の夏川さんの明るい笑顔は何度見ても涙してしまう. 今回のツアーがこのように開催されるまでの物語とも言えるし, この曲の重みは格別だ. そんな夏川さんの姿と歌声に心は浄化され, さっきまで泣いていた僕は自然と笑顔になっている. 今回のチケットに付属するグッズのパンダくんかな?

アルバムの構成ももちろん好みだが, LIVE としての盛り上げと "プロットポイント" のストーリーを両立させたこのセットリストは "ゆーいつむに" であることに間違いはない.

アンコールで披露された "Ep01" の楽曲は, そんなログラインの先に位置するようだが, 追加公演での MC における "夏川はまだまだ止まりません" という言葉をそのまま音楽にしたようなもので, ここまで完成された LIVE の先にある光景に "キタイダイ", その一言に尽きる.

 

声劇

今回は曲中だけでなく, 曲間に無声劇を取り入れた演出があった. パンダくんとヒヨコツインズが織りなすストーリーにはたくさんの考察点があるし, 夏川先生からの答えが示されることもないであろうからオタク特有の語りをしようと思ったが, いかんせん僕は教養 (夏川椎菜さんに関する知識) と想像力の双方が欠如した人間なのでそれには至れなかった (予防線). 3回も行ったくせに.

そんな僕でも分かることといえば, パンダくんが夏川さんを映したキャラクターであろうことなのだが, 僕は初めどうしてもそうとは言い切れなかった. パンダくんはヒヨコツインズが投げ出したトランペットを一人で片付けたり, 誰も見ていないところでお立ち台に上がってパフォーマンスをしたりしていた. だが, 僕から見た夏川椎菜はそういう存在には思えなかった. いくらなんでも卑屈すぎると感じた.

しかし, それはやはりデビューからどのような思いを持ってここまで辿り着いたのかを知らないという, 僕の無知に起因するものであった. "劣等感" だとか "葛藤" だとか, 本人からそういう言葉が語られていることくらいは知っていたが, 夏川さんはこういった自分に対するマイナスを要素として大切にしてきたのだということを後になって分かった. この公演では, そういった側面すらも決して言葉で説明付けることのない1つの作品として仕上げてきた. 僕が最初に抱いた感想を肯定するなら, 内に秘めた感情はもっとダークであるかもしれない. それは少なくとも劇中に流れる音楽がパレイドのオルゴールアレンジであることからも伺えよう.

歌と劇を織り交ぜたストーリー仕立ての LIVE を今後もやることは恐らく可能だろうが, デビューから 1st アルバムのリリース, そして初めての LIVE を開催するまでに自身が歩んできた道のりや抱えていた苦悩を, ちょっと後ろ向きなパンダくんとともに伝えてくれる機会なんてものは二度と無いはずで, そのような感情の揺さぶり方が出来るのもまた 1st LIVE ならではだと思う.

どうしてか, この夏川椎菜さんという人は, 知れば知るほど応援したい気持ちでいっぱいになる.

 

総括と展望

夏川椎菜さんのソロ活動に興味を持ったのは本当につい最近のことだった. より正確には, TrySail の中でもマジで麻倉ももさんにしか興味を持たず, Travels でもフワコロとパレイドしか聴いたことがなくそれしか知らない人間だったが, Odyssey でいろいろな曲を聴いているうちに実はかなり魅力的なアーティストではないかということに気付き惹かれていった. "VIPER" の MV が見たくてフラゲ日に買いに行った*4時に, 気が付いたらログラインも買っていた.

そんな時期であったので追加公演以外のチケットは SOLD OUT であった上, 追加公演が発表された当時は別のイベントがあると思っていたので行きたくても行けないつもりだった. だが運良く足を運んでみると, TrySail のときはバランサーだったり黄色い厄介だったりむすび丸を射法投射したり*5していたあの人が, ステージを独占してあんなことやこんなことをしまくっているではないか. ヒヨコ群の群長の名にふさわしく, 誰よりも楽しそうにしながら歌い, 踊り, ヒヨコ群をプロットポイントの世界へと連れ込む. 夏川椎菜さんはすでに1人でそれを成し遂げるだけのアーティストだった. その中身も, 自分の好きを詰め込んだ独特な世界で, ただ可愛いだけではないことがすぐに見て取れるデザインである.

夏川さんは多方面に積極的なアウトプットが多いが, そのためのインプットも人一倍多いし, 更にはそのことすらもアウトプットしてくれる人だ. 僕はこの手の人間なので*6そういう所にはやはり強いあこがれを抱くし, そんな人に出会えて本当に良かった. だからこそ, 自分のやりたいことを追い求めて進み続ける夏川さんが, 次にどんな世界を見せてくれるのかはとても気になるし, おそらく次のソロ LIVE にも行くと思う. 余力があれば LIVE 以外の活動の場にも参加してみたいが…*7